2011年1月17日月曜日

岩井さやかの36冊

1974年生まれ。聖心女子大学文学部歴史社会学科卒業。卒業後、NHKに記者として入局。京都に赴任し、5年弱、事件記者などを務める。その後、演劇を志そうとNHKを退職し、流山児★事務所に入団。退団後もフリーの役者として小劇場を中心に活動を行うが妊娠、出産を機に演劇活動を休止、現在に至る。
言葉との距離感、言葉が普遍性を持つのはどんな時なのかに興味があります。昔は、芸術というものは足元が危い場所に立ちながらかろうじてバランスを保っている、そういう所からしか生まれないのではないかと思っていましたが、子育てを通じて、大地にしっかり根を下ろしたものから生まれ出てくる何かにより強く惹かれるようになりました。

1.考え方・感じ方・判断力の核をなす12冊
須賀敦子『地図のない道』(新潮社、1999年)
保坂和志『小説の自由』(新潮社、2005年)
フェルナンドペソア『ポルトガルの海―フェルナンド・ペソア詩選』(池上岑夫訳、彩流社・増版版1997年)
アントニオ・タブッキ『供述によるとペレイラは』(須賀敦子訳、白水Uブックス、2000年)
川端康成『山の音』(新潮社、1957年)
ジョゼ・サラマーゴ『あらゆる名前』(星野祐子訳、彩流社、2001年)
野呂邦暢『夕暮れの緑の光——野呂邦暢随筆選』(岡崎武志編、みすず書房、2010年)
佐野洋子『問題があります』(筑摩書房、2009年)
パウロ・コエーリョ『ピエドラ川のほとりで私は泣いた』(山川紘矢/山川亜樹子訳、角川文庫、2010年)
ナタリア・ギンスブルグ『ある家族の会話』(須賀敦子訳・白水Uブックス、1997年)
長田弘『死者の贈り物』(みすず書房、2003年)
神谷美恵子『生きがいについて』(みすず書房、2004年)

2.専門と呼びたい分野(魂の発露としての言葉、芸術(表現)と生活)の12冊
庄野潤三『前途』(講談社、1968年)
フェルナンド・ペソア『不穏の書、断章』(沢田直訳、思潮社、2010年)
ヘルマン・ヘッセ『荒野のおおかみ』(高橋健二訳、新潮文庫、1971年)
中島敦『山月記・李陵』(岩波書店、1994年)
ポール・オースター『孤独の発明』(柴田元幸訳、新潮社、1996年)
矢内原伊作『ジャコメッティ』(みすず書房、1996年)
宇佐美英治『見る人』(みすず書房、1999年)
シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』(田辺保訳、筑摩書房、1995年)
清水眞砂子『幸福の書き方』(JACC出版局、1992年)
アーシュラ・K・ル=グウィン『夜の言葉』(山田和子訳、岩波書店、2006年)
メイ・サートン『独り居の日記』(武田尚子訳、みすず書房、1991年)
篠田桃紅『桃紅 私というひとり』(世界文化社、2000年)

3.「現代性」を主題とする12冊
ジャック・ロンドン『火を熾す』(柴田元幸訳、スケッチパブリッシング、2008年)
内田樹『街場の現代思想』(文藝春秋、2008年)
加藤周一『日本人とは何か』(講談社、1976年)
岡本太郎『今日の芸術——時代を創造するものは誰か』(光文社、1999年)
鷲田清一『待つということ』(角川学芸出版、2006年)
管啓次郎『本は読めないものだから心配するな』(左右社、2009年)
中井久夫『私の日本語雑記』(岩波書店、2010年)
佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』(河出書房新社、2010年)
上野千鶴子『女ぎらい——ニッポンのミソジニー』(紀伊国屋書店、2010年)
赤坂憲夫『排除の現象学』(筑摩書房、1995年)
向谷地生良『安心して絶望できる人生』(日本放送出版協会、2006年)
村上龍『希望の国のエクソダス』(文藝春秋、2000年)